心臓血管外科
1.ごあいさつ
 当科は、県内唯一の小児専門病院として年間150症例の手術を実施しており手術成績も全国水準を上回り良好です。心臓血管外科周術期クリニカルパス(PDA、ASD、VSD)の導入にて、低侵襲心臓手術(小切開手術・胸腔鏡下動脈管閉鎖術など)を積極的に実施するとともに、丁寧で精確な手術に心がけ、患児様の術後早期回復に誠心誠意努力しています。また、左心低形成症候群(HLHS)や重症エプスタイン奇形などの新生児重症疾患に関しましても、胎児超音波スクリーニング外来による出生前診断率の向上により、手術成績も格段に向上しています。更なる高水準の手術成績を目指して、心臓血管外科、循環器内科、麻酔科、集中治療科、新生児科、産婦人科、人工心肺技師、看護師、理学療法士、検査技師、薬剤師のメディカルスタッフ全員で日々研鑽し努力し、世界水準の医療を目指しています。
(1)特色
 手術症例は移植治療が必要となる疾患を除く新生児時期から思春期にわたる先天性心疾患を全て対象としています。生直後の新生児や未熟児の複雑心奇形に対しても開心術を積極的に行っています。最近では産婦人科医の胎児診断の効果で新生児期の手術が計画的に実施される場合が増加しています。お子様が入院なさる病棟(循環器病棟)は心臓血管外科医と循環器内科医が綿密に連絡を取り合い共同で診療にあたっています。術後管理は小児集中治療室(PICU)で受けていただきます。予定手術日は月曜日、火曜日、木曜日ですが、緊急手術は常時可能です。
(2)疾患別の当科の特徴
  <単純心奇形>
 心房中隔欠損症、心室中隔欠損症などは、無輸血で手術が可能です。これらの疾患は安全性を確保してさらに美容に心掛けた小切開で手術を行い、日常生活への早期復帰を可能に致します。動脈管開存症は、症例に応じて胸腔鏡下動脈管閉鎖術を実施しており、小さな傷で治癒可能となりました。

<複雑心奇形>
 多くの疾患で新生児・乳児期に一期的根治手術が可能な体制を取っています。また、重症疾患で段階的に手術治療を必要とする場合は、十分に検討を加えて、より良い治療をより少ないリスクでお受け頂くことを第一選択としています。またその時代の最先端の技術を積極的に導入し、常に満足して頂けるよう心掛けています。

<単心室症>
 単心室症治療は2回~3回、時にはそれ以上の手術をお受けにならなければなりません。外科的治療の最終目標はフォンタン型手術ですが、当院では心外導管法によるTCPC(total cavopulmonary connection)を行っています。単心室症の場合は、まず生後1~3ヶ月で体肺動脈短絡術(肺血流を増やす手術)または肺動脈絞扼術(肺血流を制限する手術)を受けて頂き、次に生後6ヶ月から1歳頃に両方向性グレン手術(BDG:上大静脈を肺動脈に直接吻合する手術)を、そして概ね1~2歳でTCPCをお受け頂いています。
2.スタッフ紹介
部長 岡 徳彦
資格 心臓血管外科専門医機構 専門医・修練指導医、日本外科学会 専門医・指導医、日本小児循環器学会評議員
Society of Thoracic Surgeons (STS) International Member
European Association for Cardio-Thoracic Surgery (EACTS)
International Member
医学博士
参加学会 日本外科学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本循環器学会、日本小児循環器学会
 
部長 友保 貴博
資格 外科専門医、博士
参加学会 日本外科学会、日本心臓血管外科学会、日本循環器学会
 
部長 林 秀憲
資格 外科専門医、心臓血管外科医
参加学会 日本外科学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会
 
レジデント 松井 謙太
 
体外循環技術認定士
技術部
臨床工学室
関  明彦
深町 直之
下田 隼人
高橋 祐樹
3.手術症例数
小児心臓血管外科医を目指す若手医師の方へ
 小児心臓血管外科医の道のりは簡単なものではありません。計画的かつ無駄のないプログラムに沿って研修を積まなければ、気力、体力ともに充実した30歳代後半、40歳代に独立した外科医、チーフになることは難しくなります。当科では北里大学と協力し、海外での臨床留学を含めた効率的な小児心臓血管外科養成プログラムを組み、若手の育成に力を入れています。見学も歓迎しています。自分の経験をもとにアドバイスできることもあるかと思います。興味のある方はお気軽にメール(岡徳彦norihiko@rr.iij4u.or.jp)にて連絡をいただければと思います。